今回は医師、看護師以外のコメディカル 看護助手・医療事務の退職について詳しく解説します。ともに病院やクリニックにおいてなくてはならない職種ですがその業務が特殊がゆえにそれぞれの悩みがあります。
目次
看護助手とは
看護助手とは最近の言葉で言えば「ナースエイド」という呼び名も浸透してきました。
基本は看護師の補助的業務がメインとなりますが、国家資格保持者でないため、直接患者さんに診療的行為はできませんし、点滴や内服薬といった薬剤を扱うこともできません。
基本的には患者さんの身の回りをお世話がメインの仕事という建付けです。
看護助手の業務内容
ところが最近では看護師の慢性的不足により、かなりグレーな業務を看護助手にさせている医療機関も多数存在します。
例えば患者さんの注射剤を用意する、医師の代わりにカルテを記載する、他院への紹介状を書く、医師の処置介助、単独で患者さんの移送などといった実際は看護師が行う業務を任されているクリニックや病院が少なくありません。特にそういったグレーな看護助手業務はクリニックで多く行われています。
看護助手の人件費はかなり安い
上記のような看護師と変わらない業務を行わされている理由は看護師が集まりにくいという点もありますが、クリニックなどでは比較的看護師は集まりやすいのです。
それなのにそういった看護師業務までやらされているというのは看護助手の人件費の安さにあります。
一般的に病院や有床のクリニックはその病床数や病床の種類によってある一定の看護師を置かなければならないとされています。
しかし病床をもたない外来のみのクリニックでは、そのような看護師の設置義務はなく極端な話、医師1名で他は全員看護助手や医療事務といった人員でも営業できてしまいます。
そうなると、あえて高額な人件費をかけて看護師を集めなくても看護助手にある程度教え込んで看護師の代わりにさせるということができてしまいます。
白衣やスクラブなどを着用すれば患者側からしたら看護師か看護助手かなんてことはまずわかりませんし、クリニックレベルでは高度な治療を要さないことからそういった事例が多数存在すると思われます。
そういった違法スレスレもしくは違法行為をやらされ、自責の念に堪え切れず退職する看護助手も一定数います。
違法行為と認識していない場合も
ただしアットホームなクリニックで院長とも仲が良く家族づきあいのようなクリニックにおいては、かなりグレーな業務を行っていてもそれが違法だと認識せず、普通に何年も働いているといったクリニックも少なくありません。しかし保健所の監査等で発覚する場合もあります。
看護助手の退職とは
そのためやはり退職が多いのは比較的規模の大きい総合病院や大学病院です。前述の用に医療機関特に病院は医師を頂点とした完全なるヒエラルキー社会です。
そのため資格を持たない看護助手は看護師の指示指令に従わなければならず決して看護師に対して異を唱えることはできません。
また前回のコラムでも解説したように看護師経験が比較的長い方はキツイ方が多く、その厳しさは資格の有無も相まってよりきつく感じます。ましてまだまだ看護助手は女の世界。
人間関係に難しさは他のコメディカルと比較しても相当難しいと感じます。
そういった人間関係のストレスがやはり多くの退職理由のひとつとなっているのです。
医療事務とは
医療事務といっても実は様々な業務形態があります。
例えば、病院の顔である受付業務、診療報酬における保険請求業務、医師の外来を補助する医師事務
他の病院や施設などと患者さんのやりとりをする医療連携業務など。
このようにひとくくりに医療事務といってもその専門業務が複数ありまた中小の病院やクリニックなどではこれを複数兼務して働いてらっしゃる方も大勢います。
医療事務は国家資格ではない
看護師や医師ほどではないにせよやはり人材が不足している事情は変わらないようです。
その理由はやはり病院という特殊な場所という事になります。
一般的に考えて医療機関は病気やケガをしていくところでありできれば行きたくないのが心情です。
それを職場に使用という方はそもそも少なく、医療事務という民間資格はあっても国家資格のような
専門資格は存在しないため、基本的には特に資格を持たない方が入職します。
医療事務は給料が安い
さらにその給与の安さにも問題があります。
一概に医療事務職は給料が安いというわけではないのですが(事務長クラスになると高額なこともあります。)医療機関の序列は医師を頂点とし、ピラミッド型に有資格で決まっているためどうしても資格を持たない一般職になると平均して収入が低くなってしまします。
そういった事情から、普通は行きたくもない職場で事務方として働き、安い給与では人材が集まりにくくやはり人手不足で更に現在勤務している医療事務職員は疲弊して、辞めたくても辞められない状況に
陥っています。
医療事務重要な業務も
どうしても看護師や医師と違い、明確な目的と使命感をもって仕事に臨んでいる方はどうしても少なく
逆にそういった向上心がある方は事務長クラスまで上り詰め、活躍されている方も少なくありません。
そうはいっても知識面で言えば他の職種では太刀打ちできない分野があります。
それははやり診療報酬における保険請求業務です。
保険医療機関においては窓口請求(自己負担分)と保険請求分を合算して患者1人あたりの診療報酬
が決まってくるわけですが、この診療報酬をまとめて各種健康保険組合へ診療報酬明細書いわゆるレセプトを提出し、保険分の報酬を翌々月に振込まれる仕組みになっているのですがこのレセプト作成に多くの知識が必要となります。
例えば、薬剤料や手術の手技料、入院費などかなり細かく設定(医療機関の規模でも異なる)
されており、それらを複雑に組み合わせて点数計算(1点=10円)を行うのですが、
保険医療機関はこの保険収入が売上の要ですから非常に大切な業務の一つです。
しかも保険請求の締め日は毎月10日と決められているためその数日前はかなり忙しくなります。それに加えて外来受付業務も兼務している方も多くいらっしゃるためストレスフルなことは間違いないです。
そういった少ない人数で重要任務をになっているわけですから、退職希望もなかなか通りにくく看護師ほどではないにせいよ、辞めたい時期に自由に退職できる環境ではないのが現状です。
最後に
看護助手や医療事務は病院運営にはなくてはならない職種です。しかし医師や看護師と比べ給与面でも決して優遇されているわけではなく、そのような環境下でもはを食いしばって真面目に働いている方も大勢います。そういった方々に敬意を示すとともに、よりよい職場を求めてスムーズな退職、転職は重要です。医療退職パートナーズでは看護助手、医療事務の転職も数多く取り扱っておりその業界に精通した医師も所属しているためスムーズな退職・転職をお手伝いします。お気軽にご相談ください。