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看護師の9割以上が何らかのストレスを抱えている
看護師の業務は実際世間一般に知られているより多岐にわたります。
医師の診療フォローが看護師の仕事というのが建前ですが実際のところ医師の業務より看護師の業務ほうが遥かに多く、かつ患者さんと接している時間も長いです。具体的には、入院患者のバイタルチェック、清拭、病院食の配膳、看護記録の作成、足腰の悪い患者さんのトイレや入浴補助、病室の清掃、ベットメイク、手術介助、手術器具の滅菌、機械の手配、手術室の清掃、救急患者の受け入れ、外来診療の補助、予約の管理等々
ここで挙げた業務はほんの一部にしか過ぎず挙げていったらきりがありません。
そのくらい多岐に渡る業務をかなり少ない人数でこなしている医療機関がほとんどです。
そのため業務ストレスは過大となり、それに看護師特有の人間関係のストレスが加わるわけですから、ストレスがないなんて看護師はほとんどいない事がよくわかります。
看護師特有の人間関係とは
退職希望に最も多い理由の一つに「人間関係」があります。
現在はかなり男性看護師も増えてきましたがやはり女性が圧倒的に多い職場に変わりはありません
女性蔑視するわけではないのですが、女性特有の人間関係の難しさは必ず存在すると思われます
具体的には一度人間関係が悪くなりと修復するのがかなり困難で、信頼関係を取り戻すのは女性のほうが難しいと一般的には言われています。
病院の話ではないですが、よくママ友同士で関係性がくずれすごく大変という話を良く効きますが、あれに状況は近いと思われます。
加えて前回のコラムでも説明しましたように医療機関はかなり体育会系の職場です。
つまり先輩看護師の権力は絶対であり、逆らう事は基本的にゆるされません。
かつ命にかかわる職種ですから、ミスを犯すことは絶対に許されず軽微なことでも厳しくとがめられることが少なくありません。
一般の会社ではパワハラととられる叱責も日常茶飯事です。
そんな環境下に耐え抜いた先輩看護師ですから当然メンタルも強く厳しく怖い先輩ばかりという状況になるのは必然です。
確かにとても気づかいのできる優しい先輩もたくさんいると思います。
しかし特に女性の多い職場ではやはり声の大きい厳しい先輩が目立ってメインになるのはやむおえない状況です。
そういった女性メインの職場および厳しい体育会系という職場環境が人間関係をかなり難しくしているのが現状です。
パワハラ・セクハラが退職理由となることも
これは先ほどの医療機関は体育会系で先輩からパワハラレベルの厳しい叱責を受けるといった
事が多いと解説しましが、何も先輩看護師だけに限ったことではありません。
先輩後輩以前の医療業界のヒエラルキーにおいて絶対的権力がありトップに君臨するのは「医師」であることはゆるぎない事実です。
ライセンス上診療行為は医師にしか許されておらず看護師自ら判断して治療行為などをすることは基本的に禁止されています。
全ては「医師の指示のもと」という文言が入っています。
そのため医師の指示は絶対であり、特に小さい医療機関になると医師の権力は絶大でパワハラまがいのことをされても相談する先がないというのが現状で、辞めるしかないという状況になることが多いです。実際かなりきつい先生は多く看護師を下にみている医師は少なくありません。従って馬鹿にするような言動であったり激しく叱責するといったことが日常的に行われています。
またセクハラを日常的に行っている医師や院長がいるという医療機関も少なくありません。
退職代行業を行っていると先生からセクハラを受けているから退職したいといった相談
が多数よせられています。
大病院ではそういったパワハラやセクハラに対する相談窓口やパワハラ・セクハラ対策委員会が設置されていますが、中小病院やクリニックで、特に「オーナー=院長」という医療機関ではオーナーである医師には何をされても絶対に逆らえないという主従関係ができてしまっておりパワハラ・セクハラをやめさせる機能がない医療機関もかなり多いようです。
医療機関において看護師は慢性の人手不足
これは今更という感じもしますが
看護師業界は空前の売り手市場で医療機関側は看護師不足のため業務縮小や閉院を余儀なくされている医療機関も少なくありません。
本当にギリギリの人数で昼夜問わず働いている看護師さんには頭がさがります。しかしなぜこれほどまでに看護師不足が顕著となってしまっているのでしょうか毎年5.5万人程度の看護師が国会試験に合格し増員されます。
また看護師は定年が一応ありますが、基本的に人手不足のため再雇用を行っているため看護師を辞める人数よりは供給のほうが理論上高いはずです。
ところが特に病床をもつ医療機関では激しい人手不足に見舞われています。
様々な要素で人手不足が起こっていると思われますが、大まかな理由は以下の2つが大きいと思います。
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- 1.看護師免許さえあればどんな医療機関でも働くことができる
- 2.看護師の就職先がかなり偏在している
この2つの理由はやはり、現在の若者世代(看護師に限らず)コスパ・タイパを最優先と考える方が増えたという事です。
看護師に限っては就業できる医療機関の種類はかなり多くあります。大病院・中小病院・クリニック・介護施設・訪問看護ステーション・保育園・一般企業など看護師は様々な職場で活躍されています。
これだけの職場があれば当然選択肢がふんだんにあり、コスパ・タイパを優先して考える看護師も少なくありません。
以前は看護師免許をとると、まずは大学病院や総合病院で病棟勤務、外来業務、夜勤、手術室業務などを全般的に経験し一人前になると小中規模の病院やクリニックへと転職するというパターンが多かったのですが最近は看護師免許を取得したのちすぐにクリニックへ就職とうい新人看護師もかなり多数います。
この理由として、前述した若者の思考を背景に、それを受け入れるクリニックも爆発的に増えています。
後述しますが医師の場合医師国家試験合格後2年間の臨床研修が義務付けられており、医学部卒業後すぐにクリニックに就職することは理論上不可能であり、大学病院や総合病院といった教育病院で2年間研修医として勤務します。
ところが看護師にはそういった制度はありません。
つまり卒後すぐにクリニックに就職という事も可能ということになります。
特に最近は全国展開しているような大手の美容クリニックやそこから独立した美容外科医が開業するといった美容クリニックバブルが起きています。後に詳しく解説しますが、美容外科はコスパの最も高い職場として知られており、看護師免許取得後すぐ美容クリニックへ就職といった看護師も大勢います。
そのため看護師の偏在が起こり、激務である救急病院や夜勤勤務が必須ないわゆる入院機能を有する病院や有床診療所へわざわざ就職せず、夜勤もなく給料も高いクリニックへ流れてしまうという状況が起きています。
人手不足の医療機関を退職することは非常に困難
前述の理由から医療機関特に大学病院や総合病院などは慢性の人手不足に陥っています。
そのため医療機関側も退職されないように様々な策を講じてきます。
賃金アップや休みを増やしたり、福利厚生を充実させたりと従業員にとってプラスの要素で退職防止策を講じる医療機関は良いのですが、人手不足を全面にアピールし辞めにくい雰囲気を意図的に作り出したり、辞めた(辞めようとしている)職員の陰口をたたいたり、ののしったりと辞めるとこうなるんだよといったパワハラまがいの行為を行っていたり、退職するためには複数回の面談が必要でその面談のアポイントが半年さきまでとれないといった独自ルールを作ったりと完全に違法ともみえる対策を講じている医療機関もかなり存在します。
まとめ
以上のように看護師の退職は非常に困難を極め、退職を申し出ても簡単には退職させてくれないといったケースが非常に多いのです。
しかしそういったことのほとんどは法的拘束力はなく、民法では退職の意思を届け出れは2週間で退職退職が成立すると規定されています。
医療退職代行パートナーズのスタッフは医療機関勤務経験者で構成されており、その特殊性を十分理解しているため一般の退職代行業者よりもスムーズな退職ととアフターフォローを実現します。
医療機関の退職でお悩みの方は気軽にご相談ください。